最近、FIRE(Financial Independence, Retire Early)という言葉を耳にする機会が増えています。FIREは「経済的自立」と「早期リタイヤ」を意味し、多くの人がこのライフスタイルを目指して投資や貯蓄に取り組んでいます。不動産投資を始める人の中には、FIREを目指している人も多いと思います。しかし、FIREの考え方がすべての人に最適かどうかは、実は人それぞれで異なります。実際のところ、経済的な自由を手に入れても、仕事を続けることへ価値や喜びを見出す人だって大勢いるのです。
この記事では、「FIRE vs 生涯現役」というテーマで、どちらのライフスタイルが自分に合っているのかを見極めるためのポイントを解説します。FIREを選んで早期リタイヤするのか、それとも生涯現役を貫くのか—どちらの選択にもそれぞれのメリットがありますが、どちらが自分にとって有益であるのかを考えることが重要です。
FIREの魅力的な部分は、自分の時間を自由に使えることですが、リタイヤ後の生活において何か物足りなさを感じることもあります。一方で、生涯現役でいることには、自己成長や社会貢献の機会が待っていますが、その代償として働き続ける必要があります。どちらが自分にとってより満足できるライフスタイルなのかを考える必要があります。
このブログ記事では、FIREと生涯現役のそれぞれのライフスタイルの利点と課題を詳しく解説します。さらに、どちらの選択が自分の価値観やライフプランに合致するかを見極めるための具体的なアドバイスも紹介します。
自分に合ったライフスタイルを見つけることで、経済的な安定だけでなく、心身の満足感も得られます。生涯現役であることによって、仕事を通じて得られる達成感やコミュニティとのつながり、自己成長を持続的に享受することができるのです。一方で、FIREによって自由な時間を手に入れることで、自分の好きなことに没頭し、人生の新たな可能性を開くこともできます。
この記事では、FIREのメリットとデメリット、また生涯現役を貫くことの価値について詳しく説明します。また、FIREと生涯現役の両立というライフスタイルの選択肢についても触れ、それぞれのアプローチがどのように実現可能かを示します。
この記事を読み終えた後には、FIREと生涯現役のどちらが自分にとって最適なライフスタイルかを判断するための具体的な判断基準が得られます。自分の価値観やライフプランに基づいた選択肢を考え、自分に最も合った人生のスタイルを見つけるためのインスピレーションが得られるでしょう。どちらの選択をしても、自分自身の人生をより充実させるためのヒントが見つかります。
経済的自立を達成しても働き続ける意義
私も現在、経済的自立は達成している状態ですが、早期リタイヤは考えていません。体が動く限りは生涯現役を貫こうと思っています。現在の仕事である大家業と不動産業に生きがいを感じているからです。働くことに価値を見出すことができて、生きがいを感じることができるのなら早期リタイヤにこだわる必要はないと考えています。
20年以上前になりますが、私が以前勤めていた会社を辞めた時、そのままリタイヤしてしまおうかと考えていた時期がありました。当時は独身だったし、不動産等の投資とネットビジネスなどからの収入があったので、働かなくても食べていくことは可能だったのです。 実際、脱サラ直後は3年程度フラフラと海外を放浪したりもしていました。実質的にはこの時期が名実ともにFIREしていた期間かもしれません。
再び仕事を始めた理由
しかし、この間に仕事について色々と考えた結果、起業してから現在に至るまで働き続けています。働いているとは言っても、毎朝通勤電車に揺られて出勤する必要もないし、上司のご機嫌をうかがう必要もありません。社内の派閥争いや人間関係に気を使う必要もありません。 不動産業でも大家業でもその他のビジネスでも価値観を共有できるパートナーと共に、好きなことを仕事にしているので、ストレスもそれほどありません。(もちろん仕事なのでそれなりの我慢や苦労はありますよ)
リタイヤするのはもったいない!?
ハッピーリタイヤして生涯遊んで暮らすという考え方も決して否定はしませんが、それではそのうち飽きるだろうし、何よりももったいないと思います。
もったいない??
リタイヤすることがもったいないと考えるのには3つの理由があります。
理由1:他人のための付加価値提供
私は当時リタイヤするかどうか悩んでいた時期に、「人間誰しもミッションを持たなければ生きる意味がないのでは」という考えに至りました。つまり、他人のために何らかの付加価値を提供して、他人の役に立つということです。そのためのリソースは誰でも持っているはずです。
「自分には他人の役に立てるようなリソースはない。」と思う人もいるかもしれませんが、それは自分で自分の価値に気付いていないだけです。
サラリーマンやOLだって、個別に見れば会社の歯車として働かされているだけかもしれませんが、その会社は必ず何か商品を売って付加価値を提供しているわけですから、その会社の構成員であるサラリーマンやOL、派遣社員やパートでも、社会に対して付加価値を提供しているということになるのです。ただ私はその歯車になること、他人のレバレッジとして働かされることがイヤで脱サラしたわけですが…
そのリソースをリタイヤしたことによって、無駄にしてしまうことがもったいないと考える1つ目の理由です。
理由2:脳の成長を止めてしまうこと
2つ目の理由、それは自分の脳を怠けさせてしまうということです。最新の大脳生理学の研究によると、人間の脳は適切な刺激を与え続ければ一生涯成長し続けるということがわかっています。
脳細胞の数は年を取るごとに減っていきますが、脳細胞どうしの結びつきがより強固になることによって脳は成長していくそうです。もともと、普通の人間は、脳の全機能の数%しか使っていないと言われているので、少々脳細胞の数が減ったところで大した影響はないということでしょう。
もちろん、年齢を重ねるごとに身体は老化して衰えていきますが、脳はたとえ80歳になっても100歳になっても成長を続けるのです。それだけ成長余地があるのに、リタイヤして遊び呆けていては、脳に刺激を与えることができず、成長は止まってしまいます。もったいないとは思いませんか?
理由3:コミュニティと社会貢献の重要性
仕事を通じて得られるもう一つの大きなメリットは、コミュニティとのつながりです。仕事をしていることで、同僚や顧客、ビジネスパートナーとの交流が生まれます。これらの関係は、単なる仕事仲間にとどまらず、人生の支えとなる友人や人脈に発展することがあります。これらの人間関係は、FIREして孤立するよりも豊かな人生をもたらしてくれます。
もちろん、趣味や遊びでも生涯の友人や仲間を作ることは可能ですので、FIREしたら社会から孤立してしまうと言っているわけではありません。ただ、そんな人も少なくないという噂は聞いています。
また、仕事を通じて社会に貢献することの喜びも無視できません。自分のスキルや経験を活かして、社会に価値を提供することは非常にやりがいのあることです。これは、FIRE後にボランティア活動や趣味の範囲での社会貢献よりも、より広範な影響力を持つことができると思います。
私の選択は生涯現役!
ですので、私は生涯現役派です。体が動く限りは、仕事を続けていくつもりです。仕事なのでもちろん苦労もありますが、その苦労も含めて楽しみながら仕事をして、人の役に立ち、そして自分の脳を刺激し続けていこうと思っています。
FIREと生涯現役の両立
FIREと生涯現役は、相反するものではありません。むしろ、経済的自立を達成しながらも、仕事を楽しんで生涯現役を貫くというライフスタイルもあります。これは、経済的な安定を背景に、自分が本当にやりたい仕事やプロジェクトに集中できるため、非常に充実した生活を送ることができます。 このライフスタイルでは、経済的自立を達成することで、働くことが義務ではなく選択肢になります。
好きな時に働き、好きな時に休む自由を手に入れることで、仕事に対するストレスが軽減され、仕事そのものを楽しむことができます。また、経済的な余裕があるため、リスクを取った新しい挑戦や自己啓発に積極的になれるのも大きなメリットです。
自分に合ったライフスタイルを見つけるために
FIREと生涯現役、もしくはその両方を組み合わせたライフスタイルのどれが自分に合っているかを見極めるためには、以下の点を考慮することが大切です。
経済的状況:自分の資産状況や収入源を見直し、FIREを実現するための目標額を設定しましょう。
働くことへの価値観:仕事を通じて得られる満足感や社会的な意義を考え、自分にとって働くことがどれだけ重要かを見つめ直しましょう。
将来のライフプラン:自分がどのような生活を送りたいのか、リタイヤ後に何をしたいのかを具体的に考えましょう。 健康状態:長期的な健康状態を考慮し、体力的な負担に耐えられるかどうかを判断しましょう。
まとめ
FIREと生涯現役、それぞれに魅力と課題がありますが、これらは必ずしも相反するものではありません。経済的自立を達成しながらも、仕事を楽しんで生涯現役を貫くというライフスタイルも可能です。どちらが自分に合っているかを見極めるためには、自分の価値観やライフスタイル、将来の目標をよく考えることが大切です。
私は現在、生涯現役の道を選んでいますが、それは働くことに大きな意義を感じているからです。あなたも自分自身のライフスタイルを見直し、最適な選択を見つけてください。どちらの選択をしても、自分の人生を充実させるための道を歩んでいくことが大切です。
FIREという生活スタイルは、多くの人にとって魅力的に映ります。経済的自由を手に入れ、早期リタイヤすることで、自分の時間を自由に使えるようになる。しかし、私が経験したように、リタイヤ後の生活は一時的には楽しいものの、長い目で見ると何か物足りなさを感じることがあります。
仕事を通じて得られる達成感や、人とのつながり、そして自分自身の成長を感じることができる機会は、リタイヤ後にはなかなか得られないものです。生涯現役でいることで、これらの価値を持続的に享受できるのです。 最後に、リタイヤするか働き続けるかは個人の価値観やライフスタイルによるものです。しかし、私自身の経験を通じて言えるのは、働くことで得られる満足感や社会貢献の喜びは、他に代えがたいものであるということです。体が動く限り、私はこの先も仕事を通じて自己成長を続けていきたいと思っています。
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