不動産投資に興味を持つことは、資産形成の一歩を踏み出す大きな決断です。しかし、その道のりには、思いもよらぬ落とし穴が待ち受けていることも少なくありません。「不動産買いたい病」にかかり、冷静さを失ったまま突っ走ってしまうと、思わぬ失敗を招く可能性があるのです。
成功する投資家になるためには、まずしっかりとした準備と計画が不可欠です。ここでは、不動産投資を始める前に知っておくべき基本的な心構えやステップを解説します。
あなたの投資が成功への第一歩となるよう、これからのポイントをしっかりとチェックしていきましょう。
不動産投資初心者が陥りがちな症例として「不動産買いたい病」があります。私も経験しました^^;
「とにかく最初の1棟目が欲しい」「早く不動産投資家としてデビューしたい」という気持ちが強く、なかなか冷静に物件を見極めることができないのです。
それこそ、仲介手数料が欲しい不動産営業マンの格好のカモです。これでは成功することなど到底不可能です。 不動産投資は魅力的な資産運用の一つですが、成功するためにはしっかりとした準備と計画が必要です。ここでは、不動産投資を始める前に知っておくべき心構えや、やるべきことについて解説します。
1.目的を明確化する
まず、なぜ不動産投資を始めるのか、その目的を明確にしましょう。収益を上げたいのか、資産を増やしたいのか、複数の収入源が欲しいのか、それとも将来の生活のためのセーフティネットを築きたいのか、自分年金を作りたいのか、目的によって投資戦略も変わってきます。
2. 種銭を貯める
不動産投資には初期費用がかかります。購入費用、諸経費、リフォーム費用、そして運営にかかるコストなどを考慮して、どのくらいの資金が必要かを明確にしましょう。
3. 知識を身につける
不動産投資関連の書籍を最低でも5冊は読みましょう。基本的な知識や市場の動向を理解することができます。また、先輩投資家の話を聞くことで、実際の経験に基づく貴重なアドバイスを得ることができます。
4. 市場調査を行う
不動産市場は地域によって異なります。ポータルサイトで物件をチェックし、相場観を養いましょう。購入を検討しているエリアの市場動向を調査し、どのエリアが将来的に価値が上がりそうか、どのエリアに需要があるかを把握しましょう。
5. 実際に物件を見に行く
不動産会社に問い合わせて、実際に物件を見に行きましょう。現地を訪れることで、写真やデータだけではわからない情報を得ることができます。また、物件の状態や周辺環境を自分の目で確認することで、より確実な判断ができるようになります。
6. ビジネスセンスを磨く
不動産投資は投資というよりも経営に近い側面があります。大家業としてのビジネスセンスを磨くことが重要です。収益管理、コスト管理、入居者対応など、さまざまな経営スキルが求められます。ビジネス書を読む、セミナーに参加する、大家の会に加入するなどして、経営に関する知識を身につけましょう。
7. リスクを理解する
不動産投資にはリスクが伴います。空室リスク、価格下落リスク、天災リスクなど、さまざまなリスクが存在します。リスクを最小限に抑えるための対策を講じることが重要です。例えば、保険に加入する、複数の物件に分散投資するなどの方法があります。 それぞれ具体的に解説します。
・空室リスク
空室リスクとは、物件が賃借人に借りられず、家賃収入が得られない状態が続くことです。空室が長引くと、収益が減少し、維持費やローン返済の負担が重くなります。
対策
立地選び: 需要の高いエリアを選ぶことで空室リスクを低減できます。例えば、駅近や大学・大企業の近くは需要が高い傾向にあります。
物件の状態: 清潔で設備が充実した物件は人気があります。リフォームや定期的なメンテナンスを行い、物件の魅力を高めましょう。
マーケティング: 効果的な広告を行い、物件の魅力を最大限に伝えましょう。インターネット広告や不動産会社との連携が有効です。 家賃設定: 周辺相場に合わせた適切な家賃設定を行いましょう。高すぎる家賃は敬遠される原因となります。
・価格下落リスク
不動産の価格は市場の動向や経済状況に左右されるため、購入した物件の価格が下落する可能性があります。価格が下落すると、売却時に損失を被るリスクがあります。
対策
エリア選定: 将来的に発展が見込まれるエリアを選ぶことが重要です。インフラ整備や都市開発が進行中のエリアは価格上昇の可能性があります。
長期保有: 短期的な価格変動に惑わされず、長期的な視野で物件を保有することで、価格下落リスクを緩和できます。 複数物件への分散投資: 価格下落リスクを分散するために、異なるエリアや種類の物件に投資することを考えましょう。
・天災リスク
地震、台風、洪水などの自然災害によって物件が損傷したり、居住不可能になるリスクがあります。天災による被害は、修繕費用や収入減少に直結します。
対策
保険加入: 地震保険や火災保険など、適切な保険に加入することで、天災による損害をカバーできます。
立地選び: 洪水や土砂崩れなどのリスクが低いエリアを選ぶことが重要です。自治体のハザードマップなどを参考にしましょう。 建物の耐震性: 耐震基準を満たした建物を選ぶ、または耐震補強を行うことで、地震によるリスクを低減できます
・賃借人リスク
賃借人が家賃を滞納したり、物件を損傷したりするリスクがあります。これにより収益が減少し、修繕費用がかかることがあります。
対策
入居者審査: 信用力の高い賃借人を選ぶために、入居審査を厳格に行いましょう。収入証明書や過去の居住履歴を確認することが有効です。
家賃保証会社の利用: 家賃保証会社を利用することで、賃借人が家賃を滞納した場合でも保証を受けられます。 契約書の整備: 賃貸借契約書をしっかりと整備し、賃借人とのトラブルを防ぐための条項を明確にしましょう。
・法律・規制リスク
不動産関連の法律や規制が変更されることで、投資計画が影響を受ける可能性があります。例えば、賃貸借契約に関する法律の変更や税制改正などがあります。
対策
最新情報の収集: 常に最新の法律や規制の動向をチェックし、必要な対応を迅速に行いましょう。 専門家の活用: 弁護士や税理士、不動産コンサルタントなどの専門家と連携し、法的リスクを最小限に抑えましょう。
・経済リスク
経済の不確実性により、賃貸需要の変動や金利の上昇などの影響を受ける可能性があります。経済状況の変化は、収益に直結する重要な要素です。
対策
経済動向の把握: マクロ経済指標や金融市場の動向を常にチェックし、経済の変動に対応する準備をしましょう。 金利リスクの管理: 変動金利のローンを利用する場合は、金利上昇リスクを考慮し、固定金利への切り替えや繰上返済を検討しましょう。
リスクの総論
不動産投資にはさまざまなリスクが伴いますが、事前にリスクを理解し、適切な対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることができます。不動産投資を成功させるためには、リスク管理が非常に重要です。しっかりとした準備と計画を立て、専門家のアドバイスを活用しながら、安全で安定した投資を目指しましょう。
8. 継続して勉強する
不動産投資は一度の勉強で終わるものではありません。市場の変動や法律の改正、新しい投資手法など、常に新しい情報を取り入れることが求められます。継続して勉強し、最新の知識をアップデートしていくことが重要です。
会社員の場合
会社員は安定した収入があるため、種銭を貯める方法としては、パートやバイトをして追加の収入を得ることや、生活費を見直して節約する方法があります。また、ボーナスや残業代を種銭として積み立てることも考えましょう。
またメルカリやヤフオクで不用品を売却して種銭を貯める方法もあります。
会社員は金融機関からの融資を受けやすいですが、自分の収入や支出を見直し、どのくらいの資金が必要かを計画しましょう。無理のない範囲で借り入れを行い、返済計画も立てておくことが重要です。 会社員は融資を引きやすいゆえに物件の見極めが大事になってきます。少々物件が悪くても、安定した給与収入を担保に簡単に融資が出てしまったりするからです。
個人事業主の場合
個人事業主は収入が不安定な場合もあるため、安定した副収入を得ることが重要です。パートやバイトをして追加の収入を得ることや、ビジネスの収益を再投資することで種銭を貯めましょう。
個人事業主の場合は、不動産を買う目的での融資は引き難いので、1棟目は自己資金を最低500万円程度は用意して、築古戸建を買って運用してみることから始めるのが現実的です。
私が50代前半で不動産投資を始めた時も、立場は個人事業主だったので、築古戸建の現金買いから始めました。 自己資金をしっかりと貯め、無理のない範囲で投資を始めることが重要です。金融機関からの融資が難しい場合もあるため、自己資金の比率を高めることを心がけましょう。
定年退職者の場合
定年退職後は退職金を利用することが一般的です。ただし、退職金をすべて投資に回すのではなく、生活費や予備資金を確保した上で投資する金額を決めましょう。 若い頃に比べるとこの年代はリスク許容度が限られているので慎重な資金計画が必要です。失敗したらリカバリーは難しいので、無理のない範囲で自己資金を活用し、リスクを最小限に抑えることを心がけましょう。
長期的な視野を持つ
不動産投資は長期的な視野が求められます。短期間で大きな利益を期待するのは難しいため、数年から数十年先を見据えて計画を立てることが重要です。
具体的な目標設定: 例えば、「10年後に家賃収入で生活費を賄う」「20年後に資産価値が倍増する物件を所有する」など、具体的な目標を設定します。
計画的な資産運用: 目標達成に向けて、計画的に資産を運用し、必要な見直しや修正を行います。 長期的な視野を持つことで、不動産投資のリスクを軽減し、安定した収益を確保することが可能です。キャッシュフローの安定性、資産価値の向上、市場の変動への対応、税制の理解と活用、そして明確な長期目標の設定が長丁場の投資の道しるべとなるのです。
まとめ
不動産投資は大きなリターンと安定収入を期待できる一方でリスクも伴います。しっかりとした準備と計画、そして専門家のアドバイスを活用することで、成功する確率を高めることができます。
投資を始める前に、ここで紹介したポイントをしっかりと押さえて、計画的に進めていきましょう。
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